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兄弟で違う習い事に通うのは当たり前の時代
兄弟姉妹がそれぞれ違う習い事に通う家庭は、今では珍しくありません。上の子はサッカー、下の子はピアノといったように、興味の方向や得意な分野が違うのは自然なことです。「せっかくなら、その子に合う習い事を選んであげたい」と考えると、結果的に別の習い事になることはよくあります。
一方で、現実的には送迎の時間調整、準備の管理、費用の負担など、親の負担が増えることも事実です。とくに共働きの家庭では、「時間が足りない」「送り迎えが重なってしまう」と悩む場面も多いでしょう。
この記事では、兄弟で習い事が違う場合に起こりやすい困りごとと、その負担を少しでも軽くするための具体的な工夫を紹介します。完璧を目指さず、「我が家なりの最適なバランス」を探すヒントとして使ってみてください。
「同じ習い事にしないと大変」という思い込みを手放す
兄弟で同じ習い事にしておくと、送迎や準備の管理はたしかに楽になります。ただ、そのためにどちらかが本当はあまり興味のない習い事を続けているとしたら、長い目で見ると負担になってしまう可能性もあります。
大切なのは、親の負担だけで決めるのではなく、「家族全体として続けられるか」と「子どもそれぞれの気持ち」のバランスを取ることです。場合によっては、「しばらくは同じ習い事」「次のタイミングで別々のものを検討する」といった段階的な選び方もあります。
兄弟で違う習い事を選ぶこと自体は悪いことではなく、それぞれの個性を尊重しているとも言えます。あとは、どうやって現実的な形に落とし込むかを工夫していきましょう。
兄弟で習い事が違うときに起こりやすい悩み
まずは、よくある悩みを整理してみましょう。自分だけが大変なのではないと分かるだけでも、少し気持ちが楽になることがあります。
① 送迎時間がかぶってしまう
一番多いのが、「片方を送り届けたあと、すぐにもう一方の迎えがある」といった時間のやりくりに関する悩みです。教室の場所が違えば移動時間も必要になり、大人が一人ではどうしても対応しきれないケースも出てきます。
特に夕方〜夜にかけては、渋滞や天候の影響も受けるため、予定どおりに行かないことも珍しくありません。「いつも時間に追われていて、心が休まらない」という声が出てくるのも、この時間帯の負担が大きいからです。
送迎だけでヘトヘトになってしまうと、家庭内の時間にも影響が出てしまうため、どこかで負担を分散する工夫が必要になります。
② どちらかの待ち時間が長くなる
兄弟のレッスン時間がずれていると、どちらか一方を連れて待つ時間が長くなることがあります。特に小さい子どもにとって、長時間の待ち時間は退屈や疲れにつながります。
スマホやタブレットで動画を見せるという選択肢もありますが、それだけに頼ると親のほうもモヤモヤしやすくなります。できれば、静かに過ごせる場所や、少し体を動かせる場所が近くにあると気持ちが楽になります。
「待ち時間をどう過ごすか」を先に設計しておくことで、送迎全体の負担感が大きく変わることがあります。
③ 持ち物やスケジュール管理が煩雑になる
習い事が違えば、必要な持ち物もそれぞれ異なります。ユニフォーム、楽器、飲み物、タオル、プリント…など、曜日ごとに準備する内容が変わると、親も子も混乱しやすくなります。
「今日はどっちのカバン？」「シューズは入れたっけ？」と、出発前にバタバタする時間が習い事の日のストレスになってしまうこともあります。
準備を仕組み化しておくことで、このストレスはかなり軽減することができます。
スケジュール調整を楽にするためのポイント
すべてを完璧に整えようとすると疲れてしまいます。現実的な範囲で負担を減らすための工夫をいくつか紹介します。
① 曜日・時間帯をできる限りずらす
同じ曜日に兄弟それぞれの習い事を詰め込んでしまうと、その日だけ負担が集中します。可能であれば、「月曜は上の子」「水曜は下の子」のように、週内で分散する形にすることで、1日の密度を抑えることができます。
教室によっては時間変更や曜日変更に柔軟に対応してくれる場合もあるため、事情を説明して相談してみる価値はあります。
少しでも余白のあるスケジュールを作ることで、急な体調不良や天候の変化にも対応しやすくなります。
② 「近さ」を重視して教室を選ぶ
習い事の内容や評判も大事ですが、兄弟が別々の習い事をする場合は「距離」も重要な判断材料になります。家から近い、あるいはそれぞれの教室が徒歩圏内・自転車圏内といった条件がそろうと、日々の負担は大きく減ります。
電車や車で長時間移動しなければならない教室は、特別な理由がない限り、兄弟別習い事との組み合わせでは負担が大きくなりやすい選択です。
多少内容面で迷うところがあっても、「無理なく通える距離」で続けられることが、長期的には大切なポイントになります。
③ 待ち時間を過ごしやすい場所があるか確認する
習い事の近くに、公園や図書館、ショッピングモールなど「時間をつぶしやすい場所」があるかどうかも、案外重要です。下の子のレッスン中に上の子の宿題を進める、ちょっとしたおやつタイムにするなど、待ち時間を「活用できる時間」に変えられれば、負担感はかなり変わります。
教室内に保護者やきょうだいが待てるスペースがある場合もあります。その場合も、絵本やお絵かきセットなど、静かに過ごせるものを用意しておくと安心です。
「待ち時間＝退屈」で終わらせず、「少しほっとできる時間」に変えられると、親子ともに気持ちに余裕が生まれます。
家庭の負担を軽くする仕組みづくり
日々のバタバタを少なくするには、送迎以外の部分での工夫も大きく影響します。準備や役割分担を見直してみましょう。
① 子ども別に「習い事コーナー」を作る
兄弟分の持ち物が混ざらないように、子どもごとに習い事グッズをまとめておけるスペースを用意すると便利です。カゴやボックスを分け、レッスンバッグ・シューズ・タオルなどを1か所に置くようにしておくと、「どこいった？」と探す時間を減らせます。
ラベルを貼ったり、色で分けたりするのもおすすめです。子ども自身が「自分のものはここ」と分かる仕組みにしておくと、準備を手伝ってもらいやすくなります。
習い事の日の前に一緒にチェックする習慣を作れば、親の負担も少しずつ軽くなります。
② 家族で送迎を分担できる形を話し合っておく
可能であれば、パートナーや家族と「送迎の役割分担」を話し合っておきましょう。毎回分担が難しくても、「大会や発表会の日だけ」「帰りだけ」など、部分的に協力してもらえるだけで、負担感はかなり変わります。
家族以外にも、同じ教室の保護者と送り迎えのタイミングを調整し、互いに助け合うケースもあります。ただし、その場合はお互いに無理のない範囲で、ルールを明確にしておくことが大切です。
「一人で全部やらなければ」と抱え込まないことが、長く続けるためのコツでもあります。
③ 無理な組み合わせは「勇気を持って見直す」
どう工夫してもスケジュールが苦しく、家族全体が疲れ切ってしまう場合は、一度「組み合わせそのもの」を見直すことも検討してよいでしょう。習い事を減らすことが、悪い選択とは限りません。
子どもと話し合い、「本当に続けたいもの」「今はお休みしてもいいもの」を一緒に整理することで、子ども自身も自分の選択を意識するきっかけになります。
家族が笑顔でいられるペースで続けることが、習い事を良い経験にするための土台になります。
まとめ：兄弟それぞれの個性を尊重しながら、現実的な形を一緒に探そう
兄弟で違う習い事を選ぶことは、それぞれの興味や個性を大切にしている証でもあります。一方で、送迎や準備など、日々の具体的な負担が大きくなるのも事実です。
曜日や距離、待ち時間の過ごし方、家族での分担など、できる範囲で工夫していくことで、「大変だけれど、何とか回せる」という状態に近づけていくことができます。完璧を目指す必要はなく、時には見直しやお休みも選択肢に含めながら、無理のない形を探していけば大丈夫です。
兄弟それぞれの「やってみたい」という気持ちを大切にしつつ、家族全体が笑顔でいられるペースを一緒に考えていきましょう。
